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ハナもも


ハナもも

正しい考え方。
「始めに光ありき」という言葉があるが、私は別に宗教を言うのではない。
植物生理の基本はあくまで光合成にあるのである。
植物が水と炭酸ガスを吸収し、太陽光線のエネルギーをかりてブドウ糖を作る。
これを、 「炭素同化作用』または「炭酸同化作用」と呼び、光合成の第1段階である。
こうして出来たブドウ糖に、根から吸収された窒素が加わり、核酸や蛋自質を作るのである。
これを 「窒素同化作用」と呼び、光合成の第2段階である。
この2つを合わせたものが、本当の光合成なのである。
こう考えると、窒素が幾ら吸収されても.前段階の「炭酸同化作用」が行なわれていなけれぱ、窒素は吸収されても、意味はないのである。
落葉する雑木などは、芽の出る前に幾ら肥料をやっても、葉がないから、「炭酸同化作用」は行なわれず、ブドウ轄は出来ない。
この状態で肥料をやっても、それは意蛛がないから、 「芽出し肥え」という喬葉は適当ではないのである。
これこそ我々が、枝枯れ病を考えるとき、まず念頭に置かなけれぱならない第1の問題でおる。
始めに述べたように、@の綱菌もAの蘭類も植物である。
そして、植物の「栄養は蜜素」である。
ここではカエデ古樹の改作を紹介したい。
改作といっても枝の作り替え。
長い間、ボンサイ仕立てとして管理されてきたカエデには、必要な作業のひとつである。
カエデは樹勢が強く、鋏での切り戻し(新梢)は年間4〜5回も行えるほど次々に芽が吹いてくる。
新芽が伸びて、鋏で切り戻しながら作るのがカエデの基本作業である。
梅雨前から夏(8月)にかけて、この切り返しと同時に葉刈りをかけることも多い。
葉刈りすると枝の様子が判るため、ここで新梢に針金掛けをするのが普通である。
ともすると、この強い樹勢が逆の効果となることがる。
次々に吹き、鋏でそれを切り返していくため、枝の岐れた部分がゴツくなる。
何回も切り返せるから小枝は増えるが、枝が不規則に太くなることも多い。
そこで、秋の強い剪定が欠かせない。
春〜夏までくり返して作ってきた枝岐れなどを、秋に鋏で切り返すのである。
特に強い部分は徹底して切り戻す。
場合によっては、春から作ってきた枝のほとんどが強くなりすぎて使えないこともある。
鋏作りの小品のカエデの枝は急速に太るものではないが、押さえながら作ることも必要。
切り込みだけでなく、葉数を減らすこともよくある。
カエデは、座などに魅力があるが、枝が荒く繊細でなかったため、強い切り戻しをして枝を作り替えた。
94年の5月にその枝の改作が行われている。
まず正面から見て幹の右側の枝は強く立ち上がり気味である。
流れの反対側の枝であるから、できればやや引き下げてコンパクトに作りたい。
流れの逆側の枝は、幹に近く、そして小さな枝つきにした方が風情が出る(短く太い枝でもよい)。
短枝であっても、枝先部分は細くやわらかく仕上げたい。
春からの芽を切り返しながら、3〜4番芽あたりを利用する。
こうして何回も切り返すわけである。
それでもゴツくなる部分は、秋に剪定してはずしていく。
5月の作業は以上に加えて、枝の呼び継ぎも行っている。
8月のカエデは葉の量に注目していただきたい。
全体が春先のように枝が透けて見えている。
葉刈りをかけたわけではなく、葉数を減らしているのである。
この程度葉数を少なくしても大丈夫。
枝をゴツくしたくないための河村さんの方法である。
このカエデ・は大型の小品(20数p)からの改作。
印象としては中品からの改作である。
模様樹風に作ってあった作品を、頭部を飛ばしーの枝だけを利用している。
8月の作業は剪定と葉刈り。
そして針金掛けである。
この素材もまだかなり変化しそうで、裏面の根の整理、根接ぎ、頭部を飛ばした後の処理など、今後相当に手が加えられそうである。
針金掛け後の姿は、カエデとしては変わった形となっている。
動きは立ち上がりから右に行き、そこから急に左に返している。
枝もやや右に出て、そこから吹き流しのように左に流れている。
この作品も数年で見違えるような優品となることが予想される。

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