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レオ


レオ

葉と茎の境に離層ができると、葉の光合成によって作られた炭水化物は、茎まで移行できなくて、葉の中に過剰に蓄積されるようになります。
そして、この炭水化物が糖分に変化して、それが、紅い色素であるアントシアンになると考えられています。
したがって、この原理を応用すると、秋になって離層が形成されるのを待たなくても、紅葉現象を作り出すことができます。
つまり、葉の光合成によって作られた炭水化物が、茎に移行できないようにしてやれぱいいわけです。
葉の主な葉脈をカミソリなどを用いて、切断すれば、それより先の部分には糖分が過剰に蓄積されて、アントシアンが生成されて紅葉します。
これは、葉にある葉脈は、実は、茎の繊管束につながっているものですから、葉脈を切断すれば、葉と茎との間の養分の移動が中断されてしまうことになります。
つまり、秋になって、葉と茎の境に離層が形成されることによって、葉と茎との間の養分の移動が中断されるのと同じ効果をもたらすわけです。
実際、秋でもないのに、野原の草が紅葉しているのを見かけることがありますが、これをよく見ると、長い草の葉が折れていて、そのために主脈も折れ、したがって、それより先に糖分が過剰に蓄積されて、紅葉しているのが分かります。
以上、紅葉がなぜ起こるのかについて分かりやすく説明しました。
それでは、どのような状態のときに、紅葉の元であるアントシアンが多く作られるのでしょうか。
今や、真柏の山出し皆無、新木との出会いもままならず、天然のジン・シャリを持つ素材の入手白体が難しくなっていることは周知の事実。
上に紹介する真柏の新木も、山出しされて永く木箱で根付けされていたものが、縁あって井浦氏の元へ持ち込まれていたものです。
素材は見てもわかる通り、立ち上がりの芸が、何をおいても大きな魅力と言えるでしょう。
新木が豊富な頃なら、足元に枝を接ぎ、活着を確認したら、左右の上部は惜しむことなく、立ち上がりを活かした樹づくりを優先する意味でも、ジンにする部分を残して切り捨てられていたでしょう。
しかし、天然素材品薄の現状を考えれば、実にもったいない話。
立ち上がりの枝接ぎと同時に、上部の芸で活かせそうな所があれば取れるだけ取ってやろうというのが、今回の欲張り計画。
限り有る資源を大切に、は表向き。
上部からも根接ぎ取りで何本かの天然素材をゲットしようということになったのです。
左に見て頂く6本も、上部で芸の良かった部分を根接ぎ取りで作ってきたものです。
これらを見れば、欲ばりです。

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