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レオ


レオ

日本の世界に誇る鉢植えの美しさを構成するうえでの枝の役割は重要です。
一般に、幹の太さに比較して、枝が細いほうが樹は大きく感じられるのですが、この樹の場合は、ぐっと太い幹ですから、この枝で細すぎて調和を欠いて物足りません。
もっとも、細い枝は太らせることができるから良いのですが、太い枝を細くすることは絶対にできないのです。
幹の割に太くしないように たえず注意して樹づくりをするようにしなければなりません。
ぶなは上部の枝に勢力が集まり、上部の枝ばかり強くなってしまいます。
樹全体にバランスよくできるように、勢力を配分することが整姿上大切です。
この樹の場合は、当然、下枝にもっとも強く勢力をつけて太くさせたいものです。
下枝が元気よく育つように芽つみ、剪定、施肥などを計算して整姿しなければなりません。
ぶなは、他の雑木のように葉刈りをして、上部の強さをおさえることはできないし、三年枝位までの若い枝でないと切れないので(古い枝は傷跡が醜くなる)一度は樹形の乱れを覚悟して、整姿して行かないと調和のある枝づくりはできないでしよう。
そして、この樹が、さらに出世するのは枝配りの良さによるのですから、枝と枝との開き具合や、枝と枝との長さのハズミ、枝と枝との太さのバランス、左右の枝の変化の妙をみせるようにしたいものです。
新正面 正面を決め、抜く幹が決まったからといって、一度に元から抜かず、ジンとし て生かせるかどうかの検討をします。
もちろん、不要と判断された幹だけに、そのままの形で残すことは考えられません。
また、新たに皮をむいてジンに作る幹や枝はまだ柔らかく、曲げることが可能であることが前提です。
ジンとはいえ、枝と同様にそれが持つ役割りは大きいのです。
流れに合わせるのも一つなら、流れに逆らわせて、強風にさらされて枯死した風情を出す効果も望めます。
この樹の場合は、既に簡略された幹が風を受けるジンとして残されており、これらのジンとの関連も考慮した操作なリ簡略も必要になってきます。
手法の選択 この樹のように.流れと野趣で厳しさを強調する樹形では、いくつかの手法が考えられます。
ジンを強調する方法・シャリ幹を作る方法・根をかき出す方法・角度をつける方法・幹や枝元を見せる方法、そして、枝(棚)の綾を作る方法等です。
また、その組み合わせも考えられます。
しかし、それらはいずれもさりげなく、あくまで自然なイメージで見せなくてはなりません。
総てをミ・9クスすればよいというものではないのです。
大切なのはその選択なのです。

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